着物の着付けでは、着物や帯以外にも、さまざまな小物を着用します。その代表として、着物用の下着、伊達締め、伊達巻、足袋をご紹介します。
着物レンタル業者によっては、小物を購入しなければいけない場合もあるので、どのようなものなのかを把握しておいてください。
なお、当店では小物はすべてレンタルできますので、ご安心ください。
着物用の下着
着物を着るときは、普段着用している下着ではなく、専用の下着を用います。普段から着用している下着を着用すると、締め付けがきつくなったり、着物に下着のラインが出たりするため、専用の下着のご使用をおすすめします。
着物の下着には、「二部式」と「ワンピース式」があります。二部式は古いタイプで、肌着と裾除けが別れている物です。ワンピース式は着やすいので、若い人に人気です。価格は、3,000円程度です。
着物用の下着は、ほとんどの着物レンタル業者で、購入することになります。
着物をよく着る方であれば、着物用の下着を買うと良いのですが、何年かに1回しか着ない人は3,000円も出して買うほどのものではないので、当店ではレンタルしています。
伊達締め(だてじめ)
伊達締めとは、長さ3.6mほど、幅が8cmほどの帯です。伊達締めの色は、白か淡いピンクです。帯の端に長い紐が付いていて、帯を巻いたら最後に紐を身体に巻きつけて帯を固定し、紐を見えないように伊達締めの中に入れます。
伊達締めは下着のようなものです。バストの大きい人ほど、しっかり巻くと、着物の見た目がきれいな状態が長続きし、着崩れしません。
着物を着たときの美しさは、襟の収め方と伊達締めの締め方で決まります。この2つを確認すると、着付師の腕の違いが分かります。花嫁さんの和装の着付をする人は、美しい着付けをされる方が多いです。
伊達締めは、一般的な着物レンタルでもセットの中に含まれていますが、一般的な着物レンタルのものは、長さが足りないことが多いことや、アイロンがきれいにかかっていなくてシワになり、きれいな着付けが難しい場合が多いです。
そのため、当店で着付けをご依頼いただいたときに付属の伊達締めに不具合のある場合は、当店の伊達締めをレンタルしていただくことがあります。
伊達巻(だてまき)
伊達巻は180cmくらいの長さの帯で、着物の上から、最後、お端折りを決めるために巻くものです。その上に着物の帯を巻くので、見えなくなります。
伊達巻は、一般的な着物レンタルでもセットの中に含まれていますが、一般的な着物レンタルのものは、長さが足りないことが多いので、きれいな着付けが難しい場合が多いです。
そのため、当店で着付けをご依頼いただいたときに付属の伊達巻が短い場合は、当店の伊達巻などをレンタルしていただくことがあります。
帯枕(おびまくら)
着物は帯を巻いて、後ろ側で結びますが、その結び目がふっくらと美しく見えるようにするために、帯を巻く前に、帯枕というものを巻きます。帯枕は、手のひらぐらいの大きさの楕円のような形状の枕です。
帯枕の種類には、その大きさ、形状、固定する方法がそれぞれ2種類ずつあります。
帯枕の大きさは、帯の結び方によって使い分けます。
帯の結び方の中で「ふくら雀」という結び方があります。雀は冬になると、丸々と太って見えますが、このような状態になる結び方をふくら雀と言います。ふくら雀をする場合には、大きなサイズで丸い形状の帯枕「蛤(はまぐり)型」を用います。
このように、蛤型は、限られた帯結びをするときに用いられます。
帯枕は着付けの種類によって異なり、振袖では若干長細く薄いタイプ、訪問着・留袖などは普通の帯枕が使用されます。
着付けに合った帯枕以外で、合わない帯枕を用いると、帯が体にフィットしにくくなり、帯がグラグラして安定しなくなり、型崩れの原因となります。
帯枕を固定する方法には、帯枕に紐が付いている「紐タイプ」と、ガーゼを巻いて使用する「ガーゼタイプ」があります。
紐タイプのものは、紐がポリエステルでできていることが多く、つるつるしているので、紐が緩んでしまうことがあります。そこで、プロの着付師は、ガーゼタイプのものを用い、しっかりと固定することがほとんどです。
ガーゼタイプは、結び目がみぞおちに食い込んで違和感があり、痛くなる人も多いようですが、ガーゼの下準備がしっかりできていると、違和感を軽減できます。
アンジェの着付けでは、下準備をしっかり行ったガーゼタイプの帯枕を用いているので、違和感はほとんどなく、長時間の着用でも着崩れしません。
帯揚げ(おびあげ)
帯揚げは、帯の上側に巻き、帯の形状を美しく見せ、帯枕のガーゼが帯の上側から見えなくするように巻くものです。帯揚げを巻くことで、デザイン的には帯と着物が一体に見え、着物と帯の美しさを引き立てます。
帯揚げの種類は、ちりめんだけの仕上がりのものと、絞り帯揚げの2種類があります。
絞り帯揚げは、刺繍によってデザイン性が高く、ふっくら感があり、着崩れしにくいという特徴があります。
ちりめんだけのものは、フラットな形状なので、ふっくら感を出すために綿を入れて巻くこともあります。
帯の中には、いろいろな紐が巻かれています。それらが見えてしまったら、着物の品を落としてしまいます。帯揚げにふっくら感があると、それらを隠してくれるので、着崩れしにくくなります。
帯揚げの色は、振袖や訪問着の場合は、帯揚げは外に出ているので、いろいろな色のものを用います。
黒の留袖といった礼装の帯揚げは、白色で、帯の中に入れてしまい、ちょっとだけ見せるのがオシャレとされています。礼装のときは、シルクの手ぬぐいのようなフラットなもので、鶴や桜の刺繍がしてあったりします。絞りの白もありますので、好みで選べます。
足袋(たび)
足袋は、和風の靴下のようなものです。足袋の先は親指とそれ以外の指で分かれています。靴下でも「足袋ソックス」のような名称で、親指が分かれている靴下も売られていて、スポーツ選手にも利用されています。
古くからある足袋は、アキレス腱の辺りにスリットが入っていて、履いたときに「こはぜ」と言われるスリットのところに縦に4個ほど並んだフックで止めるようになっています。
最近の足袋は、スリットがなく靴下のように履くことができるタイプもあり、足袋に履きなれていない人は、こちらがおすすめです。
足袋は、ほとんどの着物レンタル業者では、個人で購入することになります。価格は、安いものは1,000円ぐらい、高いものでも4,000円ぐらいです。
当店での着物レンタル(振袖、袴、訪問着)では、お客様が極力ご購入いただかなくても良いように、着物や帯のレンタルだけでなく、すべての小物レンタルもセットになった、オールインパックをご用意しています。また、着付と同時にヘアセットやメイクも可能ですので、お得な着物レンタル、オールインパックをどうぞご利用ください。